格助詞
主格
「が」「ぬ」の二つがあります。日本語共通語の「が」に当たる言い方です。「が」は、指示語、代名詞など、特定のものを指す名詞につき、「ぬ」は普通名詞につきます。名詞によってはどちらでもいい場合もあります。
１．えー、はいんかいや ばが いかでぃ
２．くいんつきゃー かいがどぅ じゃうかい
３．あがい、あみぬどぅ っふぃってぃにゃーん
日本語共通語と同じく、状態を表す述語の対象を表すことができます。
４．ばー たくぬ なますぬどぅ ふぁうぶすかい
属格 「が」「ぬ」の二つがあります。「の」に当たる言い方です。主格と同じ形で、区別の仕方も主格と同じです。
１．うぬ さなぬどぅ ばが むぬ
２．んつぬ んなかう あいきや ならん
対格 「う」で表します。「を」に当たる言い方です。基本は「う」ですが、つく名詞の最後の音によりさまざまな形をとります。詳しくは[[:accusative|こちら]] を参照してください。
与格・位格
「ん」で表します。 共通語の「だれだれに」「どこどこに」「いついつに」の「に」に当たる言い方です。「いん（犬）」のように「ん」で終わる名詞につくときは「いんん」とならず、「いん」となります。
１．はいん んーぬ いびでぃ
２．いちゅふぬどぅ ちゅーがくぬ しーしん ないたい
３．さぶろーや じろーん ばうひー なっじゅらいたい
４．ひこーきゃー ひとぅいん ひとぅかいましか にゃーん
５．はなこー みはなぬどぅ んまん ゆー んーしゅー
〇共通語の「どこどこで」の「で」に当たる場合もあります。
６．よじたーひんな えきん まちうき
方向格
んかい 共通語の「へ」にあたる言い方ですが、「に」に近い使い方もします。
１．ひゃーひ いんかい いつぶすむぬ
２．んみゃ みゃーくんかいどぅ いきーうい
３．きーんかい ぬーらだうり
４．んまー あちゃ っゔぁんかい いじゃいが いつがまた
〇「ん いきー（に 行き）」が短縮されて助詞のようになった「んきー」という言い方もあります。
例 ５．はいんきー んーぬ いびーくーでぃ
道具格
ひー 共通語の「で」に当たる言い方です。短く「ひ」と発音されることもあります。
共同格
とぅ 共通語の「と」に当たる言い方です。
１．っざとぅ ひとぅみ いきば
２．どぅすとぅ あそぅび
３．かずことぅ はなこー どぅす
出所格
から 共通語の「から」に当たる言い方です。情報源を表す意味もあり、共通語の「で」に当たります。
１. はなこー ん゜ぬから やみどぅ にっゔぃーうい
２．さきゅーぎゃー まいからどぅ ちゅっふ
３．んまがー いつどぅ とーきょーから ふーが
４．てれびから みーたいそぅが
限界格 たーひー
共通語の「どこどこまで」「いついつまで」の「まで」にあたる言い方です。
１．うつなーたーひー いきーくーでぃ
２．すとぅむてぃから ゆさらびたーひー あそぅーたい
（朝から 晩まで 遊んだ）
共通語では「彼が来るまで待とう。」のように動詞の基本形を直接「まで」につけることができますが、池間方言では、「かいが ふーきゃたーひー」のように「きゃ（時)」をつけて「彼が来るときまで」のように言わなければいけません。「かいが ふーたーひー」とは言えません。
比較
んつきゃー 「より」に当たる言い方です。格助詞とは言えないかもしれませんがここに置きます。
例 っぞぅんつきゃー わーぬどぅ たかだいかい